TRAUMARIS|SPACEにて、ユカササハラギャラリーとの共同企画で、
三宅砂織の東日本での未発表作品による個展を開催します。
古い写真や8ミリ映像の曖昧なイメージや
関係者の色褪せた回想によって、
隠蔽された事件を解明するための手がかり。
あるいは記憶を錯綜させて捜査を翻弄すること。
蚤の市や古道具屋で偶々見つけた
見ず知らずの他人の写真(found photo)や、
なにげなく撮影したビデオ映像のイメージのなかに
事件の微かな手がかりを偶然発見してしまうこと。
三宅砂織の作品は、手のこんだプロセスと、
霧のなかを手探りでどこかへ向かうようなイメージが
作家の意図とはまったく関係のない架空の事件を
ときに観る人の脳内につくりだす。
TRAUMARIS主宰
アートプロデューサー/ライター
住吉智恵
三宅砂織はここ数年、フォトグラム作品に取り組んでいます。
フォトグラムとは、カメラを使わずに、印画紙の上に直接物を乗せて感光させた写真作品です。
黒の絵具で描かれた数枚のフィルムを配置し、タイミングをずらしながら光を当てることによって微妙なグラデーションが生み出され、独特の奥行きや質感が浮かび上がってきます。
印画紙に直接オブジェを置いたり、それぞれのフィルムへの光の当て方などを1点1点調整しながら制作されるため、作品にはエディションはなく、すべてユニーク作品となります。
また三宅の作品には、写真や広告からすくいあげたモチーフによって、ストーリーを読み解いていくという楽しみがあります。
個々に存在する、あくまで個人的な事柄と、そこに現れた表象的な世界とをつなぎ合わせてインスタレーションした展示空間からは、また別の物語が見えてきます。事件のカギを握る手がかりや証拠品を、1つの法則に従って置いたかのようにも見える、少々サスペンス仕立ての展示にご期待下さい。
展覧会名:三宅砂織「Found」
会期:3月13日(水)〜3月31日(日)
会場:TRAUMARIS|SPACE
〒150-0013 渋谷区恵比寿1-18-4
NADiff A/P/A/R/T 3F
TEL 03-6408-5522 月曜休
火〜土16:00-24:00(日曜14:00-22:00)
|